新型コロナウィルスに今後どう対応するか?

これまでを振り返って》

 5月25日に政府は首都圏・北海道の5都道県で最後まで継続されていた「緊急事態宣言」をようやく解除しました。これで4月7日に東京・大阪など7都府県に最初の宣言を発表して以来約1ケ月半ぶりに全国的に宣言は解除になり少しだけ国民は自由を取り戻したようです。

 緊急事態宣言は「改正新型インフルエンザ対策特別措置法」に基づき最初は4月7日を皮切りに、その後4月10日に愛知県を、12日に北海道を追加した後4月17日には全国に拡大しました。

 全国に緊急事態宣言発令中は、人々に外出をしないこと、店舗を閉めること、学校は閉鎖すること、など国民に自粛を要請しました。その効果があり、全国的に感染者が減少した結果、政府は5月14日に39県で緊急事態宣言を解除(福岡県を含む)したあと、5月21日に近畿圏を解除し、今回5月25日に至り全面的に「緊急事態宣言」を解除したものです。

 全面的解除を決めるとき政府と専門家会議は相当悩んだと思われます。政府は、その時点での「新規感染者数(過去1週間の10万人当たり感染者数)」「医療提供体制(空きベット数と医療従事者数)」「感染拡大の監視体制(PCR検査など)」を都道府県別に精査しようやく解除にこぎつけたのです。 解除した後は、もはや外出自粛はお願いしないが5月中は移動の自粛、夜の繁華街の接待を伴う飲食店やカラオケ、ライブハウスなどへの出入りを控えるよう求めています。

 これまで私たちは「自粛」という言葉通り、何をするにも新型コロナ対策を念頭に生活してきました。日常の手洗い、マスク着用、3蜜(密集、密接、密閉)の回避、外出の自粛など小さな子どもにまで生活の制限が課せられています。世界中に閉塞感が広がり、企業活動、経済はもとより文化、教育、スポーツなどあらゆる方面に大きな影響を与えています。5月末の感染者数を見ると、世界中にコロナウィルスが蔓延しており、日本でも感染者数17,580人、犠牲になった人911人と大きな傷跡を残しています。

 長引く自粛で事業者や従業員への経済的影響が拡大しているなか、政府も中小企業への持続化給付金に加え休業要請に応じた企業への協力金、家賃負担、学生への授業料支援など経済対策を決定しました。また国民への一人10万円の特別定額給付金、小学生児童を持つ保護者への小学校休業等対応助成金、などの政府からの現金支援制度もようやく動き出しています。 しかしPCR検査(遺伝子検査)の検査数の問題や、検査の陽性率の計算方法、企業の倒産や休業による失業者の増加、金融市場での株価暴落、生活不安による自殺者の増加、など問題は多方面に広がっており、政府の早急の対策が望まれます。